3辺160cmを超える作品の送り方 ― 宅配便・佐川ラージ・家財便の使い分け
ハンドメイドの発送を解説した記事は世の中にたくさんありますが、そのほとんどはアクセサリーや小物が前提です。ネコポス、ゆうパケット、クリックポスト――どれも、椅子やベンチには使えません。
このガイドは、3辺合計160cmを超える大きい作品を送るためのものです。棚、スツール、ローテーブル、ベンチ。「作れるけれど、送り方がわからなくて出品できない」を解消します。
まず測る3つの数字
送り方は、次の3つでほぼ自動的に決まります。すべて梱包した後の数字で測ってください。
- 3辺合計(縦+横+高さ)
- いちばん長い辺(3辺合計とは別に上限がある業者があります)
- 重さ(上限が25kg・30kg・50kgと分かれます)
梱包すると、各辺が3〜6cmずつ増えます。プチプチ+巻きダンボール+コーナーガードを付けると、3辺合計で10〜18cm増える計算です。160cmや200cmのぎりぎりを狙うと、梱包した瞬間に区分が上がって数千円変わります。設計の段階から、この余白を見ておくのが安全です。
早見表:どこまでなら宅配便で送れるか
| 業者・サービス | 3辺合計 | 重さ | ひとこと |
|---|---|---|---|
| ヤマト運輸 宅急便 | 200cmまで(1辺は170cmまで) | 160サイズまで25kg/180・200サイズは30kg | 2021年に180・200サイズが新設され、上限が伸びた |
| 日本郵便 ゆうパック | 170cmまで | 25kg | 170サイズが上限 |
| 佐川急便 飛脚宅配便 | 160cmまで | 30kg | 160cm以内なら重い物に強い |
| 佐川急便 飛脚ラージサイズ宅配便 | 170〜260cm | 50kg | 大型・重量物の切り札 |
※2026年9月時点の各社の案内によります。運賃も区分も改定されるので、出すときは必ず公式の料金ページで確認してください。
大事なのは下の2行です。
- 重い大型は、佐川の飛脚ラージサイズしか選べない場面が多い。3辺合計260cmまで、しかも50kgまで運べるのはここだけです。無垢材のベンチやチェストは、25kgの壁を簡単に超えます
- 「うちは160cmまで」と思い込まない。ヤマトの宅急便は200サイズまで伸びています。かつての「ヤマト便」は2021年10月に廃止され、その分が宅急便に統合されました
3辺合計が180cmくらいの棚なら、まだ宅配便の土俵です。ここで家財便に逃げると、送料を無駄に高く見積もることになります。
200cmを超えたら:家財便
3辺合計が200cm(佐川ラージなら260cm)を超えたら、大型家具向けのサービスに切り替えます。
代表格が「家財おまかせ便」です。もともとヤマトホームコンビニエンスの「らくらく家財宅急便」でしたが、2025年1月にアートセッティングデリバリーへ移管され、名前が変わりました。ネット上には旧名のままの解説記事が大量に残っているので、検索するときは新しい名前で探してください。
家財便の利点は、料金の安さではありません。
- 梱包を配送側がやってくれる(毛布梱包・搬入まで)。自分で大判ダンボールと格闘しなくてよい
- 集荷に来てくれるので、車も営業所への持ち込みも不要
- 開梱・設置まで含むプランもあり、高価格帯の作品では「設置までやります」がそのまま売り文句になる
料金は3辺合計のランク×距離で決まります。公開されている料金表の例では、3辺合計200cm以内の近距離で4,000円台、250cm以内で7,000円台といった水準です(2026年9月時点の一例。地域と時期で変わります)。繁忙期(3〜4月)は加算があり、予約も取りにくいので、この時期は納期を長めに伝えておくと安心です。
正確な金額は、アートセッティングデリバリーの料金検索で、預かり先と届け先の都道府県を入れれば見当がつきます。
それでも高い・送れないとき
路線便:西濃運輸の「カンガルーミニ便」は3辺130cm・20kgまでで、大型には届きません。それを超える荷物は「カンガルー特急便」の扱いになり、基本は見積もりです。営業所が近く、完全に自分で梱包できて、継続的に出す予定があるなら、営業所で相談する価値があります。
引き取り限定:「引き取り限定・○○県△△市」で出品する方法です。送料ゼロは強力な値引きになりますが、買い手は激減します。大物のワンオフ作品や、地元に顧客がいる場合の選択肢です。
分解できる設計にする:いちばん効くのはこれです。天板と脚を分けて送れば200サイズに収まり、送料が半分以下になることがあります。「組み立ては買い手にお願いする」前提の設計は、送料を武器に変えます。
送料を、値段にどう乗せるか
ここを間違えると、売れているのに手元にお金が残りません。
大事な事実がひとつあります。ハンドメイドの販売サイトでは、送料にも販売手数料がかかります。
| 売り先 | 手数料 | 送料は手数料の対象か |
|---|---|---|
| Creema | 税込10.67% | 対象(2025年11月5日の改定から) |
| minne | 10.659% | 対象 |
| メルカリ | 10% | 送料は出品者負担が基本 |
つまり、5,000円の送料を価格に含めると、その5,000円にも10.67%=534円の手数料がかかります。「送料込みで16,000円」と決めるとき、送料5,000円をそのまま足すのでは足りません。
- 送料込みで出す:買い手には分かりやすく、売れやすい。ただし遠方に売れると赤字になりうるので、いちばん遠い地域の送料で計算しておく
- 送料別で出す:赤字は避けられるが、購入直前に金額が増えるので離脱が起きる。地域別の送料表を商品説明に必ず書く
このあたりは、送料&手取り計算機に数字を入れれば、手数料を引いた手取りと実質の時給まで出ます。無料で使えます。
出品する前にやっておくこと
- 梱包後の3辺合計・最長辺・重さを実測して、商品説明に書く
- 買い手の搬入経路(玄関・階段・エレベーター)の確認をお願いする一文を入れる。「入らなかった」は返品と往復送料になります
- 梱包の前後を写真に撮る。破損の申し出があったとき、状況を示せるのは自分の写真だけです
- 外装に「持ち手はここ」の表示を貼る。横長の作品は、中央を持たれると折れます
よくある3つの失敗
- 梱包前の寸法で送料を計算していた → 出す日に区分が上がって数千円足りない
- 重さを測っていなかった → サイズは収まっているのに、25kgの壁で受け付けてもらえない
- 送料にかかる手数料を忘れていた → 手取りが想定より1割少ない
どれも、出品前に3つの数字を測るだけで防げます。
次に読む(無料)
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