確定申告・経費 ― もうけの出し方と、税金の減らし方
読む(7分)
確定申告は「1年間のもうけを自分で計算して、税金を申告する」手続きです。むずかしく感じるのは、「もうけ(所得)」の出し方がわかっていないから。逆に、そこさえつかめば全体が見えます。基本の式はこれだけです。
売上 − 経費 = もうけ(所得)
税金は「売上」ではなく、このもうけにかかります。だから、経費をきちんと拾うほど税金は下がる。これが確定申告のいちばん大事なポイントです。
そもそも自分は申告が必要?
立場によって、しきい値が変わります。
| あなたの立場 | 確定申告が必要になる目安 |
|---|---|
| 専業(個人事業主として家具づくり) | もうけ(所得)が出るなら原則必要 |
| 会社員の副業として | 給与以外の所得(売上−経費)が年20万円を超えると必要 |
| もうけがごくわずか | 所得税はかからなくても、住民税の申告は別途必要な場合あり |
「20万円ルール」の落とし穴:会社員の副業で「20万円以下だから申告不要」というのは所得税の話です。住民税は20万円以下でも申告が必要なので、お住まいの市区町村のルールを確認してください。
経費にできるもの(家具づくりの例)
「事業のために使ったお金」は経費になります。家具づくりなら、たとえばこんなものです。
- 材料費:木材、塗料、金具、接着剤、紙やすり
- 工具・機械:のこぎり、電動工具、治具(高額なものは減価償却になることも)
- 梱包・発送:ダンボール、緩衝材、送料
- 販売手数料:ハンドメイドマーケットやフリマアプリの手数料
- 撮影まわり:背景布、照明、三脚、撮影に使う小物
- 通信費・水道光熱費:作業に使う分を「按分(あんぶん)」して一部を経費に
- 作業場の家賃:自宅の一角なら、使っている面積・時間の割合で按分
- 学びの費用:関連する講座・書籍・資料(この講座の受講料も対象になりえます)
ポイントはレシート・領収書を必ず残すこと。「按分」は、たとえば自宅の1割を作業場に使っているなら家賃の1割、という考え方です。割合の根拠を自分で説明できるようにしておきます。
白色と青色のちがい
開業届・青色申告 で青色申告の申請を出しておくと、確定申告のときに差が出ます。
| 白色申告 | 青色申告 | |
|---|---|---|
| 事前の届け出 | 不要 | 開業届+青色申告承認申請書が必要 |
| 帳簿のつけ方 | 簡易でよい | 複式簿記(会計ソフトでラク) |
| 特別控除 | なし | 最大65万円(e-Tax+複式簿記) |
| 赤字のくり越し | できない | 3年間くり越せる |
複式簿記と聞くと身構えますが、いまは会計ソフトがレシートの入力から申告書の作成までやってくれます。売上と経費を日々ためていけば、確定申告の時期に慌てずにすみます。
1年の流れ
- 1月〜12月:売上と経費を記録し、レシートをためる(会計ソフトが便利)
- 年明け:1年分を集計し、もうけを計算する
- 2月16日〜3月15日ごろ:確定申告(e-Tax・郵送・税務署窓口のいずれか)
- 納税 or 還付:計算結果に応じて納める(または戻ってくる)
やることチェックリスト
- 自分が申告の対象か、上の表で確認する(副業なら住民税も忘れずに)
- 売上と経費を記録する仕組みを決める(会計ソフト or 表計算)
- レシート・領収書を保管する場所を1つ決める
- 経費になりそうな支払いを「事業用」と分けて把握する
- 青色を使うなら、事前に 開業届・青色申告 の申請を済ませておく
この記事について:確定申告と経費の考え方を、一般的な範囲でまとめたものです。しきい値・控除額・様式は変わることがあり、個別の判断(何が経費になるか、按分の割合など)はケースごとに異なります。正確な取り扱いは税務署や税理士にご確認ください。ここでの説明は税務相談ではなく、一般的な情報提供です。
最後に、消費税と関わる インボイス・消費税 を見ていきます。
